ABOUT FDE
FDEとは
FDE(Forward Deployed Engineering)とは、エンジニアが顧客の現場に入り、業務を自ら体験したうえで課題を解決していく開発手法です。
米国のテクノロジー企業を中心に広がり、AIの普及とともに注目を集めています。
このページでは、言葉の意味から、SESや受託開発との違い、実際の進め方までを解説します。
DEFINITION
FDEとは何か
FDEとは、エンジニアが顧客の現場に入り込み、業務を自ら体験して理解したうえで、AIとデジタルツールを使って課題を解決していく開発手法のことです。
Forward Deployed とは「前線に配置された」という意味です。
エンジニアが自社のオフィスで仕様書を待つのではなく、課題が起きている現場そのものに出ていく——それがこの言葉の指すところです。
FDEという言葉は、手法と職種の両方を指します。
同じ略語が2つの意味で使われるため、はじめは混乱しやすいところです。
FDE Japanでは、次のように定義しています。
Forward Deployed Engineering
ウォーターフォール開発、アジャイル開発に続く、AI時代の次世代開発スタイル。何をつくるかが決まっていない状態から、現場で見つけて、つくる。
Forward Deployed Engineer
顧客の現場にて、デジタルツールとAIにより課題解決をするエンジニア。現場知識・現場組織・業務フロー・DX・AIスキルを備えた高度な知識人として定義します。
従来の開発との一番の違い
従来の開発では、まず「何をつくるか」を決めてから着手します。
要件定義書があり、仕様があり、それに沿ってつくる。
この前提が成り立つのは、発注する側に「何をつくればいいか」が分かっている人がいる場合だけです。
FDEは、その前提を置きません。
何をつくるべきかを決めるところから、エンジニアの仕事に含めます。
現場に入り、実際に業務をやってみて、どこに時間が消えているのかを自分の目で見る。
その結果として、つくるものが決まります。
WHY NOW
なぜ、いまFDEなのか
FDEという働き方そのものは、新しく生まれたものではありません。
この職種を体系化したのは、米国のデータ分析企業 Palantir Technologies だと言われています。
近年は、生成AIを提供する企業でも同じ名前の職種が置かれるようになり、日本でもこの言葉を目にする機会が急速に増えました。
AIが「つくる」を安くしたから
これまで、システム開発でいちばんお金と時間がかかっていたのは「つくる」工程でした。
だからこそ、つくり始める前に要件を固める必要がありました。
手戻りのコストが高すぎたからです。
AIによって、この前提が崩れました。
つくる工程が速く、安くなった結果、ボトルネックは別のところに移りました。
何をつくるべきかを見極める工程です。
ここは現場を知らなければ判断できず、AIにも代われません。
FDEが注目されているのは、まさにこの部分を担う役割だからです。
日本では、担い手がいない領域だから
日本の多くの企業、とくに中小企業では、「何をお願いすればいいのか分からない」という状態で止まっています。
ITベンダーに相談しても、要件がなければ見積もりが出せません。
コンサルタントに相談すれば方針は出ますが、つくるところまではやってくれません。
この、誰も担っていない間の領域を引き受けるのがFDEです。
PROCESS
FDEの進め方
FDE Japanでは、次の4つの段階で現場に入ります。
特徴的なのは、2番目の「業務を体験する」工程です。
ここを飛ばすと、現場で本当に困っていることには辿り着けません。
-
無料現場診断
まず現場を見せていただきます。
資料をご用意いただく必要はありません。
日々どう仕事が回っているのかを見て、どこに時間が消えているのかを一緒に言葉にしていきます。
この段階では費用はいただきません。 -
業務を体験する
対象となる業務を、エンジニアが実際に自分の手でやってみます。
話を聞くだけでは、「毎回この確認で15分かかっている」といった実態は見えてきません。
やってみて初めて分かることを、この段階で拾います。 -
整理・分解
業務をひとつながりの塊のままにせず、置き換え可能な単位に分解します。
全部を自動化する必要はありません。
人がやるべき判断と、機械に任せられる作業を切り分けることが、この工程の目的です。 -
業務の省力化、自動化
AIを中心に、最適な手段へ段階的に置き換えていきます。
一度に全部を変えると現場が止まるため、小さく試し、動くことを確かめながら進めます。
最低5日から、必要な回数だけ現場に入ります。
長い期間常駐するのではなく、必要なタイミングで入り、段階的に仕組み化していきます。
DIFFERENCE
SES・受託開発・ITコンサルとの違い
FDEは、既存のどのサービスとも少しずつ重なっています。
違いがいちばんはっきり出るのは、「何をつくるかを誰が決めるのか」という一点です。
| FDE | SES・常駐 | 受託開発 | ITコンサル | |
|---|---|---|---|---|
| 何をつくるか決めるのは | エンジニア自身 (現場で見つける) |
顧客 | 顧客 (要件定義書) |
コンサルタント |
| 始めるのに必要なもの | 現場を見せること | 作業指示 | 要件・仕様 | 経営課題の共有 |
| 成果として残るもの | 動く仕組みと、 回るようになった業務 |
稼働した工数 | 仕様どおりの システム |
報告書・計画 |
| 現場業務を自分でやるか | やる | やらない | やらない | やらない |
| 向いている状態 | 何を頼めばいいか 分からない |
やることが 決まっている |
つくるものが 決まっている |
方針を決めたい |
※ 上記はFDE Japanによる整理です。事業者によって提供範囲は異なります。
つまり、どういうことか
受託開発は「つくる」を引き受けます。
コンサルティングは「決める」を引き受けます。
SESは「手を動かす」を引き受けます。
FDEは、その3つをひとりの担当者が地続きで行います。
分業していないぶん、現場で見つけたことがそのまま仕組みに反映されます。
SKILL
FDEに求められるスキル
FDEは、プログラミングができれば務まる仕事ではありません。
現場の業務を理解する力と、それを技術に翻訳する力の両方が要ります。
FDE Japanでは、次の5つを軸に人材の育成を進めています。
- 現場理解力/業務を自分でやってみて、どこに負荷がかかっているかを体感として掴む
- 業務分解力/ひとつながりの業務を、置き換え可能な単位に切り分ける
- 実装力/AI・デジタルツールを組み合わせて、実際に動くものをつくる
- 対話力/現場の人が言葉にできていない困りごとを引き出す
- 判断力/何を機械に任せ、何を人に残すかを決める
このうち、いちばん時間がかかるのは現場理解力です。
技術は学べば身につきますが、現場の勘所は、現場に入った回数でしか育ちません。
だからこそ、FDEは人を育てる仕組みとセットでなければ広がらないと考えています。
FOR SMB
中小企業にこそFDEが要る理由
FDEは本来、人にもお金にも余裕がある大企業ほど導入しやすい手法です。
それでも私たちが中小企業を対象にしているのは、この手法でなければ届かない課題が、そこに集中しているからです。
人手不足は、もう待ったなしのところまで来ている
募集をかけても人が来ない。
この状態が、多くの現場で当たり前になりました。
足りない分を引き受けているのは、いま働いている人たちです。
残業で埋め、休日に片づけ、責任感のある人ほど負荷が集中していきます。
そして負荷が限界を超えると、人が辞めます。
辞めれば残った人の負荷がさらに上がり、また辞める。
採用で解決できるならそれが一番ですが、そもそも人がいないのですから増やせません。
残された道は、いまの人数でも回るように、仕事そのものを減らすことです。
これは来年でいい話ではなく、限界を超える前に手を打つべきことだと考えています。
「何を頼めばいいか分からない」が最大の壁
中小企業の現場でいちばんよく聞くのは、業務が非効率だという話ではありません。
「困ってはいるが、何をどう頼めばいいのか分からない」という言葉です。
これは怠慢ではなく、社内に要件定義ができる人がいないという構造的な問題です。
属人化は、書き出すところからしか解けない
ベテランが辞めたら止まる。
教え方が「見れば分かる」しかない。
こうした属人化は、手順を書き出さない限り解けません。
しかし現場の人には、日々の業務を回しながらそれをやる時間がありません。
外から人が入り、一緒にやりながら書き出していく必要があります。
小さく始められることが条件になる
大きな投資が前提の手法は、中小企業には届きません。
だからFDE Japanは、最低5日・20万円からという単位で提供しています。
まず1つの業務が回るようになることを確かめてから、次に進めます。
EXAMPLE
FDEが現場に入ると何が起きるか
FDEの仕事は、説明を読むよりも、実際のやりとりを見たほうが早く伝わります。
FDE Japanでは、現場で起きることを連載小説「FDE小説」として公開しています。
登場する企業は架空ですが、そこで交わされる会話は、実際の現場で繰り返されてきたものです。
FAQ
よくある質問
FDEとは何の略ですか?
Forward Deployed Engineering(フォワードデプロイド・エンジニアリング)の略です。「前線に配置された技術」という意味で、エンジニアが自社ではなく顧客の現場に入って課題を解決していく進め方を指します。この働き方をするエンジニア個人のことも、同じくFDE(Forward Deployed Engineer)と呼びます。
SESや常駐エンジニアとは何が違いますか?
一番の違いは、何をつくるかを誰が決めるかです。SESや常駐は、お客様が決めた作業を、指示のもとで進めます。FDEは、まず現場の業務を自分で体験し、どこを仕組みに変えるべきかをエンジニア自身が見つけて提案します。「何をお願いすればいいのか分からない」という状態からでも始められるのが、FDEの特徴です。
社内にITに詳しい人がいなくても依頼できますか?
できます。むしろ、そうした企業のための進め方です。要件定義書やシステムの仕様を用意していただく必要はありません。エンジニアが現場に入り、実際の業務を一緒にやりながら、課題を整理するところから始めます。
AIを導入すること自体が目的ではない場合でも相談できますか?
相談できます。FDEの目的は業務を仕組みに変えることであり、AIはその手段のひとつです。実際には、AIを使わずに手順を整理し直すだけで解決する業務も少なくありません。何をAIに任せ、何を人に残すかを見極めるところまでを含めて行います。
どのくらいの期間と費用がかかりますか?
料金は稼働日数に応じた見積制で、最低5日・20万円からです。費用は企業の売上規模や業務内容によって変わります。長期間の常駐ではなく、必要なタイミングで必要な日数だけ現場に入り、段階的に仕組み化していきます。まずは無料の現場診断からご相談ください。
対応している地域はどこですか?
現在は、九州全土(沖縄を除く)、岐阜・名古屋、東京・千葉・埼玉が対応エリアです。この3圏から始めて、各地域の仲間とともに47都道府県へ広げていく計画です。その他の地域については、連携パートナーを募集しています。